ツボの選び方
こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です
前回のブログで「湿邪のむくみに三陰交」というお話をしましたが
ツボの選び方はいろいろあって
三陰交以外にも良いツボはたくさんあります
よく聞かれるけど、聞かれて困る質問が
「〇〇に効くツボを教えてください!」
です
ツボは「線路と駅」の「駅」に例えられていて
経絡(けいらく)という体を走る線路の上に出る反応点としての
ポイントに名前がつけられています
WHOで定められたものだけでも361個ありますし
経絡に所属していないモノや「〇〇先生が良く使っていた治療点」
なんかも入れると、数えきれないほどのツボが存在します
もう、全身ツボだらけです(笑)
ツボの解説書ともなると、百科事典レベルです
穴性(けつせい)といって、ツボそのものが持っている
効果効能に従ってツボを選ぶこともあれば
同じ経絡上で離れた所のツボを使って、その経絡の流れを良くすることもあるし
トラブルが起こっている「まさにそこ」としてのツボを選ぶこともあります
【三陰交について】
先日、私が湿邪の足のむくみに使った三陰交は
足の親指から足の内側を上がっていってお腹や胸を通り
脇の下まで通じる『足の太陰脾経』という経脈上の6番目のツボです
この経脈は肝・胆・腎の経脈や体の中心を通る任脈とも
途中で交わっています(電車の乗り換えができるイメージです)
さらに、体の深いところでは消化にかかわる脾と胃に至り
肺経のツボを通ったり途中で枝分かれしたラインは手の少陰心経につながります
「よくわからないけど、身体のいろんなところに効きそう」
と思ってもらえればOKです
湿邪は脾を損傷しやすいことと
水のめぐりが停滞してむくみが起きていること
膝のあたりは平気だけどすねの途中から足首あたりのむくみが強い
などの理由から
「脾経の中でも足首に近いツボ。肝脾腎の三陰が交わる三陰交にしよう」
と決めたわけです
さらに三陰交は、血を補ってくれるので
私は生理前の時期にお灸すると次の生理が楽なので
そういう意味も込めて選びました
ほかにも、消化の問題が出てきていたら
胃経のツボをプラスしたり
のどのつかえ感が一緒に出たら肝経をプラスしたりと
組み合わせは無限に考えられます
・どんなむくみにも〇〇のツボ
・誰の肩こりにも〇〇のツボ
というものはありません
その症状を起こしている原因は人それぞれですし
治療の仕方、治り方は何通りもあるからです
まずは全身みさせてもらったうえで
「今のあなたがセルフケアするなら、これがおススメです」
というアドバイスでしたらお任せください
食生活で改善されるむくみもありますしね
【たんぱく質不足でもむくみます】
南の谷の鍼灸院 南谷望
湿邪のむくみは「三陰交」にお灸
こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です
関東は梅雨入りと同時に少し気温が下がって
湿気はあるけど過ごしやすさも感じられますね
雨に濡れた草花は生き生きとして
いい香りがします
南谷家の母は農家の孫なので
「雨の日は家でゆっくり過ごしていい日」
と穏やかな気持ちになるんだとか
まさに晴耕雨読ですね
(晴れの日は庭に植えた花や野菜のお世話に勤しんでいます)
とはいえ、東京の梅雨~夏のジメジメ&猛暑は何年たっても慣れず
道産子の私にとっては厳しい季節がやってきました
東洋医学では湿度が上がって体に悪さをするものを
「湿邪:しつじゃ」と呼びます
(湿度があっても体に悪さをしなければ「邪」ではないですね)
湿邪の特徴は4つ!
①重濁性
湿邪は陽気を滞らせるため
頭や体が重い、手足がだるいといった症状が見られます
また、重く濁る性質が排泄物や分泌物にあらわれます
目やにが多い、便がべたっする、おりものが多いなど
②粘滞性
湿邪はねっとりと粘り気があり、気の動きを滞らせるため
排泄物や分泌物の粘稠度が増して排泄・分泌がスムーズに出ていかない
また、経絡や関節に湿邪が滞ると気や血(けつ)の流れが滞り
関節の痛みや感覚の異常などの症状があらわれます
③下注性
重く水気のある湿邪は、体の下の方の症状を生みやすいです
下痢、足のむくみ、排尿障害やおりものは湿邪の下注性によって出やすい症状です
④脾を損傷しやすい
東洋医学では五つの臓が体の働きをつかさどっていると考えます
(解剖学的な臓器のみならず、そのはたらき・概念を指しています)
(ふわっととらえてください)
肝心脾肺腎
この五つです
このうち食べたものから気や血を作り出し
「気血生成の源」といわれる「脾」は中焦(体の真ん中あたり)にあり
「喜燥悪湿:きそうおしつ=適度な乾燥を好み、湿を嫌う」
という性質があるため、湿邪の影響を受けると体の真ん中あたりに気の滞りが起き
胸の苦しさや胃のつかえ感、便がすっきり出ないなどの症状が起きます
さて、だいぶ長くなってきましたね
つまり、梅雨時に湿邪が影響すると
足のむくみや体のおもだるさ、便の異常や関節の痛みが出やすくなる
ということですが
周りを見渡して、全員同じ症状が出ているわけではありませんよね?
体の不調は、弱いところに出ます
私は、東京の暑さと湿度に弱いので
この季節は見事に足がむくみます
「一日立ち仕事をした夜に」ではなく
「出勤して着替えて、1時間後には靴下の痕がくっきり」
足がむくんでることよりも
「朝からむくんじゃうくらい湿邪に負けてる」
ということが問題で、これを放っておくと
お通じの問題や、全身の重だるさ、食欲不振、ひざの痛みなどなど
いろんな可能性が見えます(こわい・・・)
ということで、お灸しました
「足のむくみ お灸」といえば超有名なツボ
「三陰交:さんいんこう」です
うちくるぶしの頂点から脛の骨の内側の縁にそって
手の指4本(人差し指から小指まで)上がったあたり
この辺でやさしく触れてみて
へこんでいたり硬かったり、まわりとちょっと違うなってところがポイントです
ツボの見つけ方は、ネットの記事だけではわかりにくいので
お近くの鍼灸院で教えてもらうのがおすすめです
お灸は、1~2回やったからと言って劇的に体が変わるものではなく
毎日続けることで、経絡の流れを良くしてくれたり
冷えの強いところに熱を補ってくれたりします
私も今年の梅雨はセルフお灸で乗り切ろうと思います!
【最近やっと自分の健康と向き合い始めました】
南の谷の鍼灸院 南谷望