甲状腺と東洋医学②
こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です
前回に引き続き、甲状腺のお話です
甲状腺機能低下症かもしれないと言われて
検査を受けてみたけど、異常なしでした
この不調の原因はなんなんでしょう??
というご相談を、続けてお受けすることがあったので
①甲状腺のはたらきと全身の状態
②東洋医学ではどう見るか
2回に分けて書いてみました
【甲状腺機能低下疑いと言われた方々のお悩み】
・とにかく疲れやすい
・休日は一歩も動けない
・寝ても寝ても疲れが取れない
・自分の体調に不安がある
・皮膚感覚の異常がある
・周りの人よりも寒がり
・気分が落ち込みやすい
このように病名がつきにくい体の不調を抱えていました
検査の結果、甲状腺機能低下症ではない
との診断を受けたそうですが
不調があることには変わりありません
【病気ではない。未病という考え方。】
病気じゃないけど元気じゃない
病気と元気の間にはグレーゾーンがあります
東洋医学では『未病』と呼ばれ
治療対象と考えます
【やまいの原因はいつもひとつ】
東洋医学の鍼灸治療、と言っても
治療法によって考え方が違うので
全ての鍼灸治療院に当てはまるわけではありません
私が行う『積聚治療』における考え方です
やまいは『生命力の低下』によって起こる
生命力が低下すると、さまざまな症状が現れる
治療や養生を通して、生命力が回復すると
現れていた症状も落ち着くようになる
【どういうことかと言いますと、、、】
甲状腺機能低下症であっても
そうでなくても
それを疑われるような症状があるということは
背景に生命力の低下がある
と考えるわけです
この方達は、たまたま
甲状腺機能低下が疑われる
『エネルギー代謝に関わる部分』に不調が現れましたが
生命力の低下の影響が
肩こりや腰痛、耳鳴りやめまい、免疫力の低下や喘息、アトピーや生理痛、不妊症や睡眠障害などに現れる事もあります
そして、それに対する治療手段は
『生命力を回復させる』
シンプルに、これだけなんです
だから、病院で診断名がつこうがつくまいが
やることは同じ
セルフケアもいつも同じで
『体は冷やさず温める』
これだけです
【つい最近、私も甲状腺ホルモンの値が低めでした】
南の谷の鍼灸院 南谷望
甲状腺と東洋医学①
こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です
甲状腺機能低下症かもしれないと言われて
検査を受けてみたけど、異常なしでした
この不調の原因はなんなんでしょう??
というご相談を、たまたま続けてお受けすることがあり
これはお話ししておきたいなと思ったので
①甲状腺のはたらきと全身の状態
②東洋医学ではどう見るか
2回に分けて書いてみたいとおもいます
【甲状腺ってなに?】
甲状腺は喉の前側にくっついている器官です
脳の下垂体から指令を受けて
代謝をコントロールするホルモンや
カルシウムの量をコントロールするホルモンが出ます
・甲状腺が働きすぎて
代謝のホルモンがバンバン出過ぎて
体が常に戦闘モード!!
になってしまうのが
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
・甲状腺がうまく働けなくて
代謝のホルモンが出てくれず
体がお休みモード、どころか
代謝が悪くてぐったりエネルギー不足
になってしまうのが
甲状腺機能低下症(橋本病など)
【血液検査の項目】
・TSH
脳の下垂体から出るホルモン
甲状腺ホルモン(以下のT4とT3)が出るように指令を出す
・FT4(T4)
甲状腺から出るホルモン
血液にのって全身をめぐり
代謝を促す指令を出す
・FT3(T3)
甲状腺から出る、もしくは肝臓や腎臓でT4から変化してできるホルモン
T4と同じく代謝を促す指令を出しますが、作用はT4よりも強力です
この検査からは
「甲状腺ホルモンが適量出ているか?」
「ホルモンの量に過不足があったときに、指令はちゃんと出ているか?」
が分かります
【甲状腺と現代医学】
「甲状腺機能が低下しているかもしれない」
と考えられた時には
・甲状腺ホルモンの量は十分にあるか?
・ホルモンを出す指令はちゃんと出ているか?
・T4からT3に変化させる肝臓などに問題はないか?
・甲状腺ホルモンの不足を示す他の異常は出ていないか?
などを細かくみていって、原因を特定するのが現代医学であり
特定するためには
「検査結果の数値はこの範囲に収まっていれば異常なしとする」
という基準があります
【甲状腺と東洋医学】
「検査で異常なしって言われました」
「でも、体調が良くないんです」
という方のお悩みに応えられるのが
“未病”の概念がある
東洋医学なんだと思います
「辛い(症状がある)ってことは、どこかおかしいよね」
と考えて
単一の臓器ではなく、全身の状態に対して治療するのが、東洋医学の強みですね
そんなわけで次回は
「甲状腺と東洋医学」についてお話しします
【20代の頃バセドウ病でした】
南の谷の鍼灸院 南谷望