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ツボの選び方

投稿日:2021年6月19日

こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です

 

前回のブログで「湿邪のむくみに三陰交」というお話をしましたが
ツボの選び方はいろいろあって
三陰交以外にも良いツボはたくさんあります

 

よく聞かれるけど、聞かれて困る質問が
「〇〇に効くツボを教えてください!」
です

 

ツボは「線路と駅」の「駅」に例えられていて
経絡(けいらく)という体を走る線路の上に出る反応点としての
ポイントに名前がつけられています
WHOで定められたものだけでも361個ありますし
経絡に所属していないモノや「〇〇先生が良く使っていた治療点」
なんかも入れると、数えきれないほどのツボが存在します

もう、全身ツボだらけです(笑)
ツボの解説書ともなると、百科事典レベルです

 

穴性(けつせい)といって、ツボそのものが持っている
効果効能に従ってツボを選ぶこともあれば
同じ経絡上で離れた所のツボを使って、その経絡の流れを良くすることもあるし
トラブルが起こっている「まさにそこ」としてのツボを選ぶこともあります

 

【三陰交について】

先日、私が湿邪の足のむくみに使った三陰交は
足の親指から足の内側を上がっていってお腹や胸を通り
脇の下まで通じる『足の太陰脾経』という経脈上の6番目のツボです

この経脈は肝・胆・腎の経脈や体の中心を通る任脈とも
途中で交わっています(電車の乗り換えができるイメージです)

さらに、体の深いところでは消化にかかわる脾と胃に至り
肺経のツボを通ったり途中で枝分かれしたラインは手の少陰心経につながります

「よくわからないけど、身体のいろんなところに効きそう
と思ってもらえればOKです

 

湿邪は脾を損傷しやすいことと
水のめぐりが停滞してむくみが起きていること
膝のあたりは平気だけどすねの途中から足首あたりのむくみが強い
などの理由から
「脾経の中でも足首に近いツボ。肝脾腎の三陰が交わる三陰交にしよう」
と決めたわけです

さらに三陰交は、血を補ってくれるので
私は生理前の時期にお灸すると次の生理が楽なので
そういう意味も込めて選びました

ほかにも、消化の問題が出てきていたら
胃経のツボをプラスしたり
のどのつかえ感が一緒に出たら肝経をプラスしたりと
組み合わせは無限に考えられます

 

・どんなむくみにも〇〇のツボ
・誰の肩こりにも〇〇のツボ
というものはありません

その症状を起こしている原因は人それぞれですし
治療の仕方、治り方は何通りもあるからです

 

まずは全身みさせてもらったうえで
今のあなたがセルフケアするなら、これがおススメです」
というアドバイスでしたらお任せください

食生活で改善されるむくみもありますしね

 

 

【たんぱく質不足でもむくみます】

南の谷の鍼灸院  南谷望

湿邪のむくみは「三陰交」にお灸

投稿日:2021年6月16日

こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です

 

関東は梅雨入りと同時に少し気温が下がって
湿気はあるけど過ごしやすさも感じられますね

雨に濡れた草花は生き生きとして
いい香りがします

南谷家の母は農家の孫なので
「雨の日は家でゆっくり過ごしていい日」
と穏やかな気持ちになるんだとか
まさに晴耕雨読ですね
(晴れの日は庭に植えた花や野菜のお世話に勤しんでいます)

 

とはいえ、東京の梅雨~夏のジメジメ&猛暑は何年たっても慣れず
道産子の私にとっては厳しい季節がやってきました

東洋医学では湿度が上がって体に悪さをするものを
「湿邪:しつじゃ」と呼びます
(湿度があっても体に悪さをしなければ「邪」ではないですね)

 

湿邪の特徴は4つ!

①重濁性

湿邪は陽気を滞らせるため
頭や体が重い、手足がだるいといった症状が見られます
また、重く濁る性質が排泄物や分泌物にあらわれます
目やにが多い、便がべたっする、おりものが多いなど

 

②粘滞性

湿邪はねっとりと粘り気があり、気の動きを滞らせるため
排泄物や分泌物の粘稠度が増して排泄・分泌がスムーズに出ていかない
また、経絡や関節に湿邪が滞ると気や血(けつ)の流れが滞り
関節の痛みや感覚の異常などの症状があらわれます

 

③下注性

重く水気のある湿邪は、体の下の方の症状を生みやすいです
下痢、足のむくみ、排尿障害やおりものは湿邪の下注性によって出やすい症状です

 

④脾を損傷しやすい

東洋医学では五つの臓が体の働きをつかさどっていると考えます
(解剖学的な臓器のみならず、そのはたらき・概念を指しています)
(ふわっととらえてください)

肝心脾肺腎
この五つです

このうち食べたものから気や血を作り出し
「気血生成の源」といわれる「脾」は中焦(体の真ん中あたり)にあり
「喜燥悪湿:きそうおしつ=適度な乾燥を好み、湿を嫌う」
という性質があるため、湿邪の影響を受けると体の真ん中あたりに気の滞りが起き
胸の苦しさや胃のつかえ感、便がすっきり出ないなどの症状が起きます

 

さて、だいぶ長くなってきましたね

 

つまり、梅雨時に湿邪が影響すると
足のむくみや体のおもだるさ、便の異常や関節の痛みが出やすくなる
ということですが
周りを見渡して、全員同じ症状が出ているわけではありませんよね?

 

体の不調は、弱いところに出ます
私は、東京の暑さと湿度に弱いので
この季節は見事に足がむくみます

「一日立ち仕事をした夜に」ではなく
「出勤して着替えて、1時間後には靴下の痕がくっきり」

 

足がむくんでることよりも
「朝からむくんじゃうくらい湿邪に負けてる」
ということが問題で、これを放っておくと
お通じの問題や、全身の重だるさ、食欲不振、ひざの痛みなどなど
いろんな可能性が見えます(こわい・・・)

 

ということで、お灸しました
「足のむくみ お灸」といえば超有名なツボ
「三陰交:さんいんこう」です
うちくるぶしの頂点から脛の骨の内側の縁にそって
手の指4本(人差し指から小指まで)上がったあたり


この辺でやさしく触れてみて
へこんでいたり硬かったり、まわりとちょっと違うなってところがポイントです

ツボの見つけ方は、ネットの記事だけではわかりにくいので
お近くの鍼灸院で教えてもらうのがおすすめです

お灸は、1~2回やったからと言って劇的に体が変わるものではなく
毎日続けることで、経絡の流れを良くしてくれたり
冷えの強いところに熱を補ってくれたりします

 

私も今年の梅雨はセルフお灸で乗り切ろうと思います!

 

【最近やっと自分の健康と向き合い始めました】

南の谷の鍼灸院  南谷望

手作りもぐさ

投稿日:2021年6月14日

こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です

 

毎月第2木曜日には
横浜市鶴見区の太鼎堂鍼灸院が主催する
元気になるお話会」に参加しています

院長の髙橋洋輔先生が患者さんのために始めた会で
セルフケアのアドバイスや東洋医学的な体のとらえ方について
お話をしてくれる場です

 

そこで「手作りもぐさ体験」をしました

5月:多摩川でヨモギを取ろう
6月:ヨモギからもぐさを作ろう
7月:作ったもぐさでお灸を据えよう

の三部作(笑)です

 

【5月:多摩川でヨモギを取ろう】

午前10時 小雨降るなか多摩川土手に集合
まずはもぐさの原料となる「ヨモギ」を摘みます

葉っぱの裏のケバケバしたところがもぐさになります

さっと洗って泥や汚れを落としたら
ネットに広げて乾燥します
(ニット干すやつに広げました 笑)

3日くらいでパリッパリになり
さらに1か月放置しました
乾燥ヨモギの近くを通るたびにふわっと爽やかな香りがしました

 

【6月:ヨモギからもぐさを作ろう】
乾燥させたヨモギはすり鉢に入れて
すりこぎでゴリゴリとすりつぶし
それをふるいにかけて、残ったところだけを使います

 

みんなでごりごりやりながら
「草餅食べたいねぇ」なんて平和な話は最初だけ・・・
なかなかの重労働に、後半は口数が減り
「こういう姿勢のほうが楽かも!」と、作業効率について考えるようになりました(笑)

ちょっと奥に見切れてますが

こんな感じになりました!
上にのってる奴は、まだもうちょっとやった方がよさそうですが

ふわふわで気持ちいいです~

 

商品として売られているもぐさは
石臼で挽いて、長通しという機械でふるいにかけた後
唐箕(とうみ)という機械で風力を使って不純物を飛ばします

お灸のもぐさはその生成具合(不純物をどのくらい除いたか)によって
・良質もぐさ
・粗もぐさ
に分けられます
どちらにも利点があって、使い方が違います

手作りもぐさでは、茎や葉などの不純物が少し残るくらいの
「粗もぐさ」を作りました

【7月:作ったもぐさでお灸を据えよう】

次回はこのもぐさで、みんなでお灸を据えます

 

「灸活」「お灸女子」
なんて言葉があるくらいですから
セルフケアの一端に「お灸」を加えてみてはいかがですか?

 

市販品の使い方やお灸をするツボなど
ご興味ある方はお気軽にご質問ください!

【おまけ】

ヨモギの説明をする髙橋先生と、一緒にヨモギ摘みした仲間たち

の、ベストショットを崖っぷちから狙う怪しい鍼灸師(笑)

 

【撮影とは命がけのものです】

南の谷の鍼灸院 南谷望

体調チェックは便チェック

投稿日:2021年6月13日

こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です

 

今日は朝イチの治療をお休みにして
Zoomセミナーに参加していました

鍼灸師のための分子栄養学
予防アドバイザーコース(基礎編)vol.4

応用編も含めると1年間の講座で
毎月1回 日曜日の朝8時からやっています(←朝早い!)

 

今日のテーマは
・ディスバイオーシス(腸内細菌叢の乱れ)
・3大栄養素:タンパク質について
・ミネラル:ビタミンB群について

 

どれも興味深い話なので、細かい内容については
今後ブログで紹介していけたらなと思います

 

今日学んだことからお伝えしたいのは
腸内環境のチェックについてのお話です

 

最近「腸活」頑張ってる方、多いですね
コロナでおうちごはんが増えたこともあってか
食生活を見直すブームが来ている気がします

ブームが来ると、いろんな健康法、いろんなダイエット法
情報があふれてしまってどれを選んだいいのかわからなくなりませんか?

こういうときに大切にしてほしいのが
「それ、自分に合ってる?」
です

 

「糖質は食べない方がいいらしい」
「グルテンは食べない方がいいらしい」
「タンパク質はたくさん摂った方がいいらしい」
「16時間断食が体にいいらしい」

 

「らしい」を信じて「なんとなく」始めてみたものの
本当に体にいいのかよくわからないまま、なんとなく飽きてしまって続かない
なんてことはよくあります

 

食を変えるなら目的を明確にしたうえで
2週間みっちりやってみて、体の変化を観察します

 

このときに一番わかりやすいのが
「お通じチェック」です
腸内環境のゆらぎは、便にあらわれます

 


(ブリストルスケール)

 

食べたものが大便として出ていくまで24~72時間が標準ですが
極端に短く10時間ほどだと「7」 水様便
極端に長く100時間ほどだと「1」 兎の糞のようなコロコロ便

腸内環境が正常で、胃腸が元気に働いてくれていると
「4」バナナのような便がつるんと出ます

「便」はその名の通り
体からの「お便り」です

 

食べたもの、体の疲れ具合、睡眠時間やストレスによっても
便の状態は変化します

 

毎日の便をチェックして
体の声を聞いてみましょう

 

そうすると、自分に合った健康法、自分に合った食事療法が見えてくるはずです

 

私も「体に良さそうな物のつまみ食い」をしがちなので
そろそろやる気を出して、食べたもの&お通じチェックやろうと思います

 

【グルテンと糖質カットはできない気がする・・・】

南の谷の鍼灸院 南谷望

初診カウンセリングって?

投稿日:2021年6月12日

こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です

梅雨入り前の晴れ間が続いていますね
治療院の近くの遊歩道にはキレイな紫陽花が咲いています

 

【初回は90分もかかるんですか?】

さて今日は初診カウンセリングについてお話します

 

南の谷の鍼灸院での鍼灸治療は3~40分くらいですが
初診の方にはじっくりお話を聞くために約90分お時間を取っています

 

【ナゼそんな時間をかけるのか?】

みなさんの体には生まれてから今までの疲れが必ずたまっているもので
それが体に微妙なひずみを生じさせて、今日のお悩みが生じたと考えられます

 

今までの疲れ、とは
出生の状態・生後の栄養事情
人間関係・仕事の内容・妊娠や出産
かかった病気・交通事故やケガ
今までに受けた治療
などが元によるものです

それらからくる疲れが、体の冷えや痛み・コリなどの形となって現れます

痛いところ、凝ってるところだけを治療をしても
「またすぐ戻ってしまう」のは
この、今までの疲れに目を向けていなかったことが原因かもしれません

 

南の谷の鍼灸院では
初回のカウンセリングで生まれた時から今日までの
病気やケガ、大きな環境の変化
強いストレスがかかった時期と
お体の不調が出たタイミングを照らし合わせながら
お話を聞いて、治療を組み立てます

 

最近だと、手術のあとからガクッと体力が落ちた方に
手術痕へのお灸治療をすることで
頭痛や肩こり、不眠についても変化を感じていただいています

 

長引く不調には、長引かせている理由があります

今までの人生を一緒に振り返り
「自分の棚卸し」をしてみませんか?

 

【思えば人生いろいろあったなぁ】
南の谷の鍼灸院  南谷望

ワクチン接種と鍼灸治療

投稿日:2021年6月4日

こんにちは
南の谷の鍼灸院
鍼灸マッサージ師 南谷望です

 

最近、鍼灸師仲間の間で
「ワクチン接種をする患者さんに、
どんな鍼灸治療をするか」
という話が盛り上がっています

 

鍼灸治療にはいろんな流派・治療法があるので
「この病気にはこのツボ」
と決まっていないのが面白いところです

内科のクリニックで働いている鍼灸師は
漢方薬を併用した治療

お灸とマッサージで治療する鍼灸師は
お腹と背中のお灸の治療で気を補う治療

南の谷の鍼灸院は
「いつもと同じ治療」を
ワクチンの前後2日間にわたって行います

 

(お灸でつかう「もぐさ」2種類)

 

ワクチンという『異物』が体に入るというのは
体にとってはすごく負担になることなので
ワクチンの「前」には
異物を受け入れる準備として、体を整え
ワクチンの「後」には
異物が入ってきて消耗している体が回復できるように
気のかたよりを整えます

 

治療の手順ややっていることはいつもと同じ

気のかたよりを整えて
自分の力で元気になれるお手伝いをするだけです

 

ワクチン後の副反応の出方は人それぞれで
まだまだデータがそろっていませんが
ただ不安になるのではなく
異物を受け入れて、自分の免疫にできるよう
体調管理をしていきましょう

 

【鍼灸大好きでも、注射は苦手です】

 

南の谷の鍼灸院  南谷望